災害伝言サービス、実際使ってみたからこそ分かること
先日の被災時に、はじめてドコモの災害伝言板を家族で利用しました。テレビなどでの告知は多いけれど、実際の利用方法や注意点までは意外と知られていません。
171という番号の存在は知っていても、どう使うか、どう役立つかは曖昧なままの人が多いのではないでしょうか。自分でいろいろと調べてみたので、あくまで個人の解釈としてまとめておきます。
「一人暮らし × 携帯のみ」の想定ケースで考える
今回はわかりやすく「一人暮らしで携帯電話しか持っていない人」が、家族や知人と安否確認を取る想定でまとめました。例えば、自分が東京、実家が東北という東日本大震災時のようなケースです。
| サービス | 登録 | 確認 |
|---|---|---|
| 171 NTT災害用伝言ダイヤル |
自宅などに固定電話の契約がある人のみ可能 | 相手の固定電話番号がわかれば誰でも確認可能 |
| web171 NTT のWeb版171 |
インターネット環境(PC、携帯電話)でhttps://www.web171.jpにアクセス 会社やインターネットカフェなどでも利用可能 |
|
| 災害用伝言板 各携帯電話サービス |
自分の携帯電話からのみ登録可能 | 相手が別の携帯会社(docomo、au、softbank)でも、誰の携帯でも確認可能 |
| インターネットサービス (Twitter、mixi、FaceBook) |
インターネット環境(PC、携帯電話)があり、各サービスのアカウントを持っていれば利用可能。 ※確認相手とは、フォロー、マイミク、フレンドなど繋がっていると良い |
|
安否確認の4つの手段
安否確認の方法として、主に以下の4種類があります。
・NTT災害伝言ダイヤル(171)
・NTT災害伝言板(web171)
・携帯キャリアの災害用伝言板
・インターネットサービス(Twitter、mixi、Facebookなど)
NTT災害伝言ダイヤル(171)
利用対象: 固定電話契約者で災害区域にいる人のみ。
固定電話がないと使えないため、最近の「携帯のみ世帯」では利用のハードルが高め。登録・確認にはその固定電話番号が必須。
特徴:「実家の安否確認向け」の伝言手段。登録可否や災害区域の情報は、161番やTV・新聞で確認できます。
体験利用も可能です。
web171(NTT災害伝言板)
利用対象:固定電話・携帯電話を持っている人でインターネット環境がある場合。
停電などがなければPC・スマホから誰でもアクセス可能。家族の誰かがログインできる状況なら使える安心感があります。
特徴:「他人や施設の力を借りてできる安否確認」。他人のPCやスマホからでも操作可能な点が強みです。
携帯キャリアの災害用伝言板
利用対象:各キャリアの携帯電話を持つ人。
ドコモ、au、ソフトバンクなどの公式メニューからすぐに利用可能。自分の携帯で登録した情報は、他社キャリアからでも確認できます。
特徴:「災害直後にまず使うべき安否確認手段」。ただしバッテリー切れや紛失時は無力なので、複数手段を併用すべき。
SNSなどのインターネットサービス
利用対象:Twitter、Facebook、mixiなどに登録している人。
現地の様子や状況把握など、多目的に使えるのがSNSの強み。今回の災害でも一番活用されました。ただし、情報の信憑性は注意。
特徴:「友人の安否確認と速報収集」。家族向けには不向きだが、自分の状況を発信するには効果的。
安否確認の基本ステップと提言
災害発生時には、以下のように段階的に安否登録・確認を進めるのが良いでしょう。
1:携帯の災害用伝言板に登録
2:web171でも登録・確認
3:SNSでも発信・確認
4:実家に固定電話があれば171で登録・確認
さらに連絡手段が通じない場合には、
5:友人や知人に連絡して、家族へ安否情報を伝えてもらう
より確実に伝えるための準備リスト
安否確認の効果を高めるには、日ごろからの共有が不可欠です。
・家族で利用方法を話し合っておく
・友人の固定電話・実家の電話番号を控えておく
・外出時に行き先や避難場所を玄関に記録しておく
・TwitterやSNSのIDを家族に伝えておく
・迷惑メール設定を一時的に緩める設定方法を知っておく
まとめ:特徴を覚えやすくするなら
・171:実家の安否確認のみ伝言ダイヤル
・web171:他人や施設の力を借りてできる安否確認
・携帯伝言板:災害直後に、まず使う安否確認
・SNS:友人の安否確認と速報収集
これらをマニュアル化して家族・知人で共有できたら、安心感がグッと高まります。誤りや追加のアドバイスがあればぜひ教えてください。
※装備や準備、行動については別記事でまとめます。