JOURNAL

2017年版
水難事故防止アドバイス

溺れた記憶。起きる時は一瞬、後悔は一生。

海の日にふと思い出したので書いてみます。なんだか偉そうですが、個人的な経験を交えた“想い”として読んでもらえたら嬉しいです。

特に小さなお子さんをもつご家族には、どうか覚えておいて欲しい内容です。

子供は“水深5cm”で、しかも“数秒で”溺れます

息を止められるのは“止めようと思った時”だけ。突然水を飲んだら、人はパニックになり、すぐに溺れてしまいます。

波打ち際でも5cm以上の深さはすぐにあります。プールの足洗い場や、雨だまり、浴槽でも同じことが起こり得るのです。

最近も、波打ち際で命を落としたというニュースがありました。親が「ほんの一瞬目を離した」ことが、取り返しのつかない事故になるのです。

水辺で“絶対に”守ってほしいこと

監視はNG、一緒に入ろう
外から見守るのではなく、一緒に水に入ってください。事故は一瞬です。

浮き輪≠安全
浮き輪が外れたら、それは命綱を失うのと同じ。必ず身体を通すタイプの浮具を使ってください。

人が多い≠安全
大勢の中では、溺れても声はかき消されます。他人はあなたの子供に気づきません。

離岸流に要注意
岸に戻れなくなる危険な潮流。水泳選手でも太刀打ちできません。ぜひ「離岸流」で調べてください。

ライフセーバーは補助役
命を守るのは、あくまで親。2重の体制で守ってください。

一緒に遊んでいますか?

「恥ずかしい」「反抗期」──そんな言い訳をせず、子供と一緒に遊ぶ関係を築いてください。それが命を守ることにつながります。

特別な思い出をつくるなら、何より一緒に遊ぶことこそが最大の“非日常”です。

僕が溺れた時のこと

小学生の頃、海で溺れました。胸くらいの水深で、浮き輪を使っていて、安心していた──その慢心がすべての始まりでした。

前から来た波で仰け反り、浮き輪が外れ、僕は洗濯機の中のように回転しながら水中で翻弄されました。

やっと浅瀬に立ち上がれた時にはパニック。陸がどちらかもわからず、とにかく走った。でも誰も僕に気づいてくれなかった。

それ以来、海が怖くなりました。プールも怖くなり、息を止めることすら怖くなり、泳げなくなりました。

海の怖さを知るために、潜ることを選んだ

それでも僕は、海を知るためにダイビングを始めました。呼吸器があることで冷静にいられたからです。

ダイビングを重ね、今ではレスキューダイバーライセンスを取得。国家資格の「潜水士」も取りました。

しかし、今でも海の恐怖は消えません。自然に対しては、常に謙虚でなければならないと強く思っています。

水の事故を“防ぐ”ために

事故に遭ってからでは遅い。命を守るためには次のような準備を:

✔ 服装・履き物を含めた装備
✔ 家族での行動ルール(例:20分ごとに休憩)
✔ 「子供より深い位置に大人が立つ」配置
✔ 救命講習の受講

スマホ片手の“ながら監視”をやめて、一緒に遊んでください。

プール、川、海──それぞれに違う危険があります。毎年ニュースで小さな命が奪われている今、どうか忘れないでください。

まず、調べて。そして、行動して。

自然と正しく付き合って、後悔や悲しみを思い出す記念日ではなく、「楽しさと感謝」の日になるように。

恐怖を煽る言い方は本意ではありませんが、それでも伝えたい。

ぜひ、救命講習を受けてください。AED、止血、やけど対応など、ほんの数千円で一生の備えになります。

▶ 東京防災 救命講習
▶ 子供の命を守るためにできること
▶ 水辺で子供を守るための注意点
▶ ALSOK 子供の命を守る防災

出来事は一瞬、後悔は一生。

どうか、皆さんとその家族が無事に、楽しい水の思い出を刻めますように。

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