
千葉災害・鋸南現地支援レポート
昨夜から鋸南町・大井地区に現地入りしてきました。友人にガソリンを届け、役場に物資を提供。3.11時に活動していたRQ市民災害救援センター(登米)での経験を少しでも活かせればと考えての行動です。
深夜から朝方にかけて、鋸南小学校体育館(役場の支援倉庫・避難所)の荷物整理や支援受け入れを手伝い、一時帰宅しました。写真は後ほど。
現地の状況(9/12深夜~早朝時点)
・町中の広範囲で停電。信号はポツポツ点灯程度。
・水は大量に届いており、不足というよりは“受け入れ体制と整理の限界”。
・避難所にいる人は少なく、自宅で過ごす住民が多い。
・NHK FM千葉では非常に有用な地域別支援情報を放送中。
物資・支援者へのお願い
✔ 物資は日中に、受け入れ可能な場所を確認のうえで。夜間は人員が足りません。
✔ 箱(段ボール)単位で種類別にまとめ、マジックで中身を記入。
✔ 袋物・バラは管理困難。スナック菓子のような袋物は扱いが難しいです。
✔ 発電機や携行缶など返却が前提の物品は持ち込みを控えて。
✔ 生ものや要冷蔵食品は配布が追いつかず、廃棄リスクが高い。
✔ ガソリン・ビニールシートは需要あり(特に10m単位の大型シート)
役場の人の声・必要とされる支援
・物資は届いている、が「配布する人」と「届ける手段」が足りない。
・山間部や高齢者宅への物資輸送がネック。
・ガラス・瓦職人、屋根・外装・内装業の専門職が必要。
・ガソリンはあるが、携行缶ごと提供がベスト。
・被災地経験者・支援団体関係者の“受け入れ支援ノウハウ”が求められている。
現地交通・通信・支援インフラ
・電車は不通だが、館山までは高速道路が利用可能。
・道に瓦礫は少なく、日中の走行は比較的安全。夜間は動物注意。
・電波は不安定で、ネットは困難。通話は可。
・宅配業者(Amazon含む)は配達可能。直接配送も有効。
現地支援で重要なこと
・“避難所に集中”ではなく、“自宅に留まる人々”への支援が鍵。
・支援が届いても取りに行けない、運べない。
・物資よりも「届ける人」「判断できる人」が必要。
・役場の職員も情報に混乱しており、“答えられないこと”が多い。
ボランティアは:
✔ 無補給で行動できる準備を
✔ デリバリー支援型(個宅への配布)で
✔ 持ち込み物資は、相手に負荷をかけない工夫を
今回の災害で特徴的だったこと
・被害が“静か”に、“細かく”発生しており、マスメディアに映りにくい。
・地域ごとに格差があり、通電/断水の有無が道1本で変わる。
・「絵にならない被災」だからこそ、情報が伝わりにくい。
情報発信の重要性
現地では電波が不安定で、発信もままなりません。だからこそ、“行った人が伝える”ことが求められます。
支援に行けない人も、Amazonなどから地域団体へ直接物資を届ける形も有効です。
支援の“つもり”が負担になることも
✔ 判断を求める質問攻めは避けて(「○○ありますか?」ではなく、「○○をお届けします、不要なら他へ流してOKです」の姿勢)
✔ 返却必須な物資は渡さない(保証ができません)
✔ ゴミになる・仕分けが大変な形状は避ける
✔ 「一緒に作業してしまう」くらいの気持ちで届ける
最後に:冷静な支援こそが、本当に届く支援です
“誰かを助けたい”という思いが、時に“現地の人を疲弊させる”こともある。だからこそ、冷静で、準備された行動が大切です。
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