JOURNAL

2021年版 水難事故防止アドバイス

恒例の水難事故防止投稿:「泡」に注意せよ

今年のキーワードは「泡」(白波や渦)です。

ライフジャケットでも危ないケースがあります!浮いて遊ぶものじゃない!

やってきましたお節介シリーズ。完全に個人の主観です。エビデンスはありません!(笑)

しつこく「シェアのシェアのシェア…」で伝えていきます。

また多摩川で悲しい事故があり、この季節が来たと感じ一筆。私は小学生時代、海で溺れたトラウマがあり、水恐怖症です。後悔を経験に変えて、しつこいほど伝えます。

本能的溺水反応とは?

「子供は静かに溺れます」。これは本能的溺水反応と呼ばれ、バチャバチャせず、声もあげずに沈んでしまう現象です。過去の記事もぜひご覧ください。

アウトドアなら安全という幻想の中、梅雨が過ぎ、川遊びの季節になります。前回は「脱水症に気をつけろ」でしたが、今回は「泡」=浮力に関する注意です。

川に潜む危険な「泡」地帯とは?

川には白波(白い泡のような部分)があります。水が岩や流れにぶつかってできる“泡”の状態ですが、ここが非常に危険です。

プールや海では人間は浮きますが、泡風呂では浮けませんよね。それと同じ理屈で、泡は人の体重で潰れ、空洞になり、浮力を失います。

暴れると自分の周りにも泡ができ、それによって沈みやすくなるという側面もあります。

滝壺や堤防に飛び込んで浮かび上がれないケースも同様です。これは「循環流(リサーキュレーション)」という現象です。

つまり、極端な話「浮き輪」や「ライフジャケット」を着けていても、“泡”や“渦”の中では浮けないのです。

追記:渦とエディラインにも注意

川にも小さな渦ができます。これは流れの速さが異なる境界線で起きるもので、エディラインと呼ばれます。

岩にぶつかった流れの下流側などに渦が発生し、引き込まれる危険があります。渦は白波と違って見えにくいため、安全確認の際には見落とさないように。

滝壺や堤防付近に飛び込むと、循環流で浮かび上がれなくなります。これは海でも川でも共通の危険です。

浮き具の誤解:ライフジャケットの注意点

浮き輪は外れます。簡単に装着できる=簡単に外れる。だからこそ「ライフジャケット」の使用が推奨されます。

ただしライフジャケットは“浮いて遊ぶため”のものではなく、“いざというときの浮力”です。浮いていることで水深が分かりにくくなり、足がつかなくてパニックになることも。

浮くということは、流されやすいということでもあります。だからこそ足が着く範囲で遊びましょう。

幼児なら膝以下、10代以上や大人でも腰より下が理想です。

「楽しい川遊び」にひそむリスク

流される楽しさ、段差を滑り落ちる感覚、わかります。でも、その先には「泡」が必ずあります。

岩にぶつかって痛い経験、誰しも一度はあるでしょう。小さな子供なら、頭を打つリスクもあります。

想像以上に深い場所に落ちることもあります。泡の下に岩があるケースもあるため、十分な注意と事前確認が必要です。

ライフジャケット選びも慎重に

ライフジャケットは国土交通省型式承認など、信頼できるものを。安価な製品では不安があります。

サイズも適正に。「大は小を兼ねる」ではなく、子供には合ったサイズを選びましょう。紐が長いと岩や首に絡まり事故につながることも。紐は短くまとめておくことが大切です。

事故を防ぐための4つの柱

1. 正しい浮き具の装着
2. 事前の安全確認
3. 家庭内でのルールづくり
4. 大人の監視体制

そして、いざという時に役立つ「救命処置」の講習も必須です。

▶ 上級救命講習(東京消防庁)

出来事は一瞬、後悔は一生。

ライフジャケットなど安全具を必ず着用し、大人が常に付き添ってください。スマホはしまって一緒に遊びましょう。

それでは、楽しい水遊びを。

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