JOURNAL

上級救命技能認定(乳児・小児・成人のCPR)

「どこへ行きたいの?」に答えるために——上級救命を受講

最近「どこへ行きたいの?」とよく聞かれる。自分でも“海猿”にでもなりたいのかと思うほどアウトドア志向。先日の日記にも書いたが、今の自分に足りない“もしも”への備えを補うべく、消防庁公認・東京救命協会実施の『上級救命技能認定』講習を受講した。一般の人から各種指導者まで受けられる応急処置技能の認定講習だ。参考:救命講習(Wikipedia)東京救命協会

受講のきっかけと目的

目的は2つ。ひとつはAEDの正しい理解と操作、もうひとつはアウトドアやダイビングでの応急処置力の底上げ。止血・保護(保温)・骨折・搬送などの知識が必要だと感じ、普通<普通II<上級のうち、今回は“上級救命”を選択した。

講習の概要(麹町消防署/8時間)

会場は麹町消防署、9時開始でみっちり8時間。実習中心なので眠くならない構成。参加は30名程度に対し救命士が約5名。配布物は約80ページのテキスト、人工呼吸用マウスピース、三角巾。

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カリキュラム(成人・小児・乳児に対応)

1) 観察要領/2) 気道確保/3) 人工呼吸/4) 心肺蘇生(CPR)/5) AED使用法/6) 止血法/7) 傷病者管理/8) 外傷の手当(三角巾)/9) 搬送法。子ども・乳児の心肺蘇生も学ぶ。

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実習・試験と率直な感想

認定だけあって実技査定と簡単な学科試験あり。受けて本当に良かった——中学で習った“なんとなくの知識”が最新の方法に上書きされた感覚。心臓マッサージは1人だと2分でヘトヘト、成人・小児・乳児でCPRやAEDの手順も異なる。講師は現場経験豊富で、事例を交えた説明と即答が心強い。山や海に特化した質問にも休み時間に丁寧に答えてくれた。雰囲気も明るく、参加者同士で教え合える良い場だった。

自分的“重要ポイント”メモ

※以下はあくまで個人的な捉え方。特に印象的だったのはAEDの位置づけ。ドラマ的イメージの“電気ショックで生き返らせる”ではなく、痙攣している心臓を整えて心肺蘇生(胸骨圧迫)の成功確率を上げるための機器という理解にアップデート。つまり「AEDそのものが蘇生するわけではない」。

また、人工呼吸は必須ではないという点も学び。感染症予防の観点から、マウスピースがなければ実施しない(家族などは例外)。何よりも優先は胸骨圧迫(CPR)

現場で最初にやるべきは「安全確認」「助けを叫ぶ」。通報(119番)はその次。1人より複数のほうが救命率は上がる——これも繰り返し強調されていた。

受講を考える人へのメモ

平日は比較的開催が多いが、土日は少なめなので要注意。修了すると認定証が発行され、サブ称号に『自動体外式除細動器業務従事者』が付く。実際に使う場面がないのが最善だが、備えておくことで“もしも”への向き合い方は確実に変わるはず。気になる方はぜひ質問を。医療関係の方で誤認があればご指摘いただけると助かります。

追記:この学びが活きた場面

この記事の半年後、直接的ではないが、この講習のおかげだと思える場面があった。詳しくは東北ボランティア活動にて

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